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一般社団法人

 日本マインドフルネス精神療法協会

Japanese Association of Mindfulness Psychotherapy (JAMP)

 

*** マインドフルネス精神療法の普及 ***

 

★宗教と一線を画す=さまざまな分野の人がマインドフルネスの活用できるように


〇当法人は「宗教的マインドフルネス」によらず、 どの既成の宗教思想にもよらない「社会応用的マインドフルネス」を研究しています。ただし、西田哲学でいう宗教レベルは、エゴイズムのない、すべての人間の絶対平等(絶対無)をいうので、これも研究していきます。よく区別するということです。

〇宗教でも人生の悩みは解決するのでしょうが、宗教はその宗教者によって思想が無数に異なり、また学問としての研究者の解釈が無限に異なります。どれを精神疾患や精神が関係する社会問題の解決の指針にできるか決めがたいところです。 特定宗教の思想を教育、医療、福祉、保健、産業などの領域において指針とすることは困難が生じます。信教の自由があり、その宗教を信じない人には苦痛になります。

〇実際の状況を見ても宗教思想によって、 教育、医療、福祉、健康、産業などの領域において充分に広く活用されているとはいえません。うつ病一つをとってみても、ある宗教がうつ病の改善に充分に貢献しているとも言えませんし、ごく一部で改善しているとしてもそれの方法が論理的に他の人々に広く説明できているわけではないようです。そういう状況では、心理療法や精神療法として、1、2年程度の有る程度短い期間で他の人が習得できません。

〇坐禅に似た手法を用いるので、「この施設は公的ですから、宗教には使えないのですよ」と会場借用を断られたこともあります。

〇そこで、宗教の言葉や宗教の思想ではなく、哲学(特に西田哲学)、脳の神経生理学で理解する「社会応用的なマインドフルネス」を研究開発することを方針とします。解釈の相違は 哲学研究者や脳科学の研究者の間に留まり、また、論理的な議論をすることができます。 ただし、議論だけならば哲学や脳科学であり、現実問題に実践的に応用するマインドフルネスではありません。 実践されて現実の社会問題の具体的な解決になる議論でなければマインドフルネスになりません。

〇意志的SIMTの本(『うつ・不安障害を治すマインドフルネス』佼成出版社)は出版されました。 ラフなものでも最初のマインドフルネスの叡智的SIMT(『マインドフルネス入門』(清流出版)、清流出版)が出版されました。さらに、人格的SIMT2019年に出版したい)の提案書を作り、試行していただき改良していきたいと考えます。 人格的SIMTは、すべての人間の根源の絶対平等の人格を探求するので宗教的です。対象的自己を超えたもの(絶対無、無分節)を扱いますから。

〇当法人はどの宗教にもよらないマインドフルネスを研究していきます。ただし、 宗教(初期仏教、大乗仏教、日本の仏教など)ではどう説明しているかを講座や研究会で学習します。鈴木大拙のいう日本的霊性も学習します。もともと、大乗仏教の中に、絶対的一者の実在論とマインドフルネスの実践論の要素がみられます。、西田哲学はあたらしい実践論を提案しています。

〇西田哲学は、東洋にあった深い実践を「至誠」といっています (⇒こちら)。これが、特定の宗教に依存しない、世界で最も深い人類的マインドフルネスの実践ではないかと思われます。それを研究し、実践的方法の開発を研究していきます。

〇マインドフルネスの方法は、さまざまな社会問題の解決改善支援のツールになる可能性があります。そうなれば「社会的マインドフルネス」です。まだ、研究が始まったばかりです。一つ提案されたら試験適用して効果を検証しさらにすぐれたものに改良されていくでしょう。宗教ではありませんから、開祖の言葉の絶対信奉主義はありません。

〇宗教を理論的背景にした「宗教的マインドフルネス」も必要です。その檀家信者さんも家族の精神的な悩み、精神疾患などの苦悩を持っておられるでしょうから。アメリカや私どものマインドフルネスを参考にしていただいて、宗祖の教えを基礎にしたマインドフルネスの研究開発をしていただくことは檀家信者のために大切なことと思います。


【参考】
◆昔の仏教の問題
★外部社会の問題での現実適用(大乗仏教が「慈悲」といった実践行動)ができなかった。その傾向は現在もなお続いている。
★そして現代はさらに西田哲学でいう人格的自己レベルの探求(自己とは何か)も失われた。
★社会的応用の希薄な、人格的自己レベルでない瞑想、多数の宗教者のそれぞれの思想による「瞑想のための瞑想」が行われてきた。
★痛みの緩和、うつ病の治癒、うつ病の再発予防、パーソナリティ障害の治療などの 「社会的応用」の瞑想(=社会応用的マインドフルネス)はなかった。
★マインドフルネスがブームになってきたが、下手をすると、再び、「マインドフルネスのためのマインドフルネス瞑想」をする人(瞑想指導者)、文献研究する人(研究者)ばかりになって、「社会的応用の現場臨のマインドフルネス」をする人(社会の現場のマインドフルネス応用者)がいなくなる危険性をひめている。

http://blog.canpan.info/jitou/archive/3614

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